PICKUP 01

コーティング肥料も、
海洋プラスチック問題の原因。
取り組みはもう始まっています。

サンアグロが、皆さまとともに取り組む、
コーティング肥料の海洋プラスチック問題。

01

海洋プラスチック問題の現状と、
肥料業界の取り組み

緩効性肥料の殻が、海洋プラスチック問題に、大いに関係しています。

私たちの生活に欠かせないプラスチックが、大量に海洋や湖沼に流出し、マイクロプラスチックとなって生物や環境に悪影響を与えている問題は、皆さんもすでにご存じでしょう。

マイクロプラスチックとは、直径5mm未満のプラスチック断片や粒子。回収が難しく、魚類、海洋哺乳類、海鳥など、海洋生物の生態系へ影響を与えています。
漁業や観光業では影響を避けるために大きなコストがかかっており、さらに、プラスチックの成分を取り込んだ魚・貝を食べることで人体へ影響することも危惧されています。

そんな海洋プラスチック問題には、農業も関係しています。
プラスチックでコーティングされた緩効性肥料の殻が、圃場から流出し、海洋や湖沼へ流れ出してしまうことで、海洋マイクロプラスチック問題の原因の一つとなっているのです。

肥料業界を挙げた取り組みが、すでに始まっています。

緩効性肥料は、作物の生育に合わせて肥効特性を適切にコントロールできることから、作業の軽減のために役立ってきました。そして、作物の生育に使われないムダな肥料を減らすことができ河川や栄養分の流出を抑えられることで、環境負荷の低減にも貢献しています。
しかし、プラスチックでコーティングされた緩効性肥料では、そのプラスチックの殻が、圃場から流出し、用水路や河川、湖沼、最終的には海洋にまで流れてしまうことが問題視されています。

私たちサンアグロが加盟している日本肥料アンモニア協会は、持続可能な社会を標榜するなかで、2018 年11月、全国複合肥料工業会とともに、「プラスチック資源循環アクション宣言」を公表しました。
さらに、2022 (令和4)年1月に、全国複合肥料工業会、全国農業組合連合会とともに「緩効性肥料におけるプラスチック被覆殻の海洋流出防止に向けた取組方針」ならびにロードマップを公表しました。
その内容は、同月、農林水産省 農産局長によって、各地方農政局、農業関係団体へ向け、通知されました。

私たちサンアグロも、「プラスチックを使用した被覆肥料に頼らない農業」を
提案しています。

私たちサンアグロは、プラスチックを使わない緩効性コーティング肥料を開発・販売しています。
また、追肥を省力化する技術で、プラスチックコーティング肥料の使用を抑えていただく提案もしています。
私たちは、「製品」と「技術」で、海洋プラスチック問題への取り組みを進めていきます。

02

サンアグロの取り組み
製品編

サンアグロでは、

  • プラスチックの代わりに、
    硫黄と微生物分解性ワックスで
    コーティングした硫黄被覆肥料(SCU・SC化成)
  • 化学反応により、
    穏やかな肥効を持つ粒状の
    ウレアホルム「サンウレア」

をご提供することにより、従来のプラスチックコーティング肥料の代替を進めています。

硫黄被覆肥料(SCU・SC化成)

肥料を、自然界にも存在する硫黄でやさしくつつんだ、製品シリーズです。
被膜の主成分である硫黄は、微生物によってすべて分解され、作物の養分となり、自然にかえるので、土壌に殻を残しません。
肥料成分がゆっくり溶け出すことで、吸収率が向上し、施肥量を削減することが可能です。

硫黄の殻は、土中で崩壊し、微生物によって完全分解します。

サンウレア

緩効性を持つメチレン尿素を主成分とするウレアホルム(メチレンウレア)を粒状化した緩効性窒素質肥料です。
サンウレアは、溶解が進むにつれて崩壊し、最終的にすべてが微生物によって分解されます。省力に役立ち、しかも、プラスチックを使用せず、環境に悪影響を与えることのない肥料です。

(サンウレアを不織布製の袋に入れて露地畑の表層へ設置した場合の経過)

メチレン尿素は、尿素とホルムアルデヒドの縮合反応物であり、縮合が進むにつれて緩効性が高くなります。ウレアホルム(メチレンウレア)は、縮合度の異なる多種のメチレン尿素からできています。その構成割合を変えて緩効度を調節することで、肥効期間の異なる製品をラインナップしています。
サンウレアのカタログは以下の左のボタンから、ウレアホルム(メチレンウレア)を含む緩効性肥料のラインナップは、右のボタンからご覧いただけます。

試験データ
「プラスチックを利用しない肥料による水稲栽培」
試験研究結果

滋賀県農業技術振興センター様による「水稲コシヒカリ栽培における、プラスチックを利用しない緩効性肥料の施用効果」の試験研究に、サンアグロの緩効性肥料、硫黄被覆肥料とウレアホルムをご提供し、施用効果を評価していただきました。

これは、日本最大の湖 琵琶湖をかかえる滋賀県の農業技術振興センター様が、今後、環境への配慮の観点から、プラスチック被覆の緩効性肥料に代えてプラスチックを利用しない緩効性肥料の使用が高まることを予想し、滋賀県の気象や土壌条件における水稲コシヒカリへの使用効果を検証したものです。

試験研究の結果、「水稲「コシヒカリ」栽培において、硫黄被覆肥料やウレアホルムを利用した全量基肥栽培用肥料は、通常の全量基肥栽培用肥料 (プラスチックで被覆した肥料を利用)と水稲の生育に大きな違いは認められず、同等の収量や品質が得られる」と発表されています。

この試験研究結果は、滋賀県下の水稲栽培農家や普及指導員に提供されるとともに、滋賀県のウェブサイト上でも公開され、水稲栽培に活かされています。

03

サンアグロの取り組み
技術編

私たちサンアグロは、資材や施用法などの技術面からも、プラスチックコーティング肥料の削減が可能だと考え、皆さまへご案内をしています。

  • ポーラス肥料を使用した
    流し込み施肥法
    「らくらく®施肥」
  • 専用肥料を使用したドローン施肥

などを行うことによって、追肥作業の軽減と省力化とプラスチックコーティング肥料の削減を両立することができ、海洋プラスチック問題にも貢献することができる。私たちはそう考えています。

流し込み施肥法「らくらく®施肥」

水稲の追肥として、水田の水口から灌がい水と一緒に肥料を流しこむだけの施肥方法です。大幅な省力化、時間短縮を実現するのはもちろん、土壌吸着性に優れた「ポーラス肥料」を使用するため、地下水や河川といった環境への負荷も軽減します。

ドローン施肥

農業でのドローン活用は、大きな省力化が期待され、普及が進んでいます。これまでは農薬散布が先行していましたが、ようやく最近、肥料散布も実用化が進んできました。
ドローンによって、重労働なしに肥料の散布、特に追肥ができれば、プラスチックでコーティングされた緩効性肥料を使用する必要性が薄れ、結果的に、プラスチックの肥料殻が河川や海洋へ流出することを防ぐことができます。
サンアグロでは、ドローン散布に対応した専用肥料製品をラインナップすることで、皆さまの施肥の省力化にお役に立つとともに、海洋プラスチック問題にも貢献することをめざしています

ドローン散布に対応した専用肥料製品

  • ドローンN44(44-0-0 容量:15㎏)
  • ドローンN34(34-1.7-2 容量:15㎏)
  • 追肥専用3812(38-0-0-ケイ酸12% 容量:15㎏)